Q&A

  • Microexamは何の会社ですか?

    株式会社Microexamは、各種の「歯周病関連菌」を「リアルタイムPCR法」を用いて検査している会社です。主に一般社団法人 国際歯周内科学研究会会員である歯科医療機関より委託を受け検査しています。当社は日々のルーチン検査に加え、歯周病関連菌の新しい検査法の検討・研究、開発も行っている歯科医師が管理者の登録衛生検査所です。
    株式会社Microexam ➡ 熊本県登録衛生検査所:登録番号62号(2012年初回登録)

  • 登録衛生検査所とはなんですか?

    医療機関で採取された検体(検査物)を検査することのできる施設です。法の規定により、施設基準や検査体制を満たし、各都道府県知事に衛生検査所としての登録を認められた検査施設です。
    「臨床検査技師・衛生検査技師等に関する法律」第20条の3

  • Microexamの検査室はどの様な設備や機器がありますか?

    当社では、検査員の安全確保と検体の汚染防止のため「病原体拡散防止設備を備えた実験室:P2実験室」を設置しています。熊本県内での導入状況は、大学や基幹病院を含めても数件の実績があるだけです。機器では、最新の機器を導入し高い精度の検査結果を確保しています。

  • 歯周病はどんな病気ですか?

    主に歯周病関連菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりします。しかし、痛みは、ほとんどの場合ありません。進行すると膿が出てさらには歯がグラグラし、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。日本人では、40歳以上の約8割が歯周病に罹患していると言われ、最近の研究では、心臓病、循環器疾患や糖尿病、早産、高血圧、関節リウマチ、アルツハイマー病、誤嚥性肺炎などの全身疾患と関係があることがわかってきました。

  • 歯周病菌とはどんな菌ですか?

    歯周病を引き起こす原因菌を「歯周病菌」と呼びます。歯周病が進行している方では歯石取りをしても、「歯周病菌」の除菌を行わない限りまたすぐに菌が増殖し、症状が再発します。
    歯周病は単一の細菌による感染症ではなく、多種の口腔内細菌が関与する感染症と考えられています。

  • 虫歯菌と歯周病菌はどのように違うのですか?

    虫歯とは、虫歯菌(ストレプトコッカスミュータンス菌など)が生み出す酸によって歯が溶かされる病気です。歯の表面に発症した虫歯は、やがて歯の奥の象牙質、その下の神経まで進行していきます。
    一度進行した虫歯は治療しない限り治らず、最終的に歯は原型を失うほどボロボロに溶かされてしまいます。歯周病とは歯を支える歯周組織(歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質など)が炎症によって侵される病気です。歯周ポケットに溜まった歯周病菌が悪さをすることで歯肉に炎症が起こり、進行することで歯を支える歯槽骨が溶かされて最終的に歯が抜け落ちてしまいます。
    …起こる症状は全く違うものの、最終的に歯を失うという点では同じです。

  • 歯周病を治すにはどうしたら良いですか?

    各種の検査を行い歯周病原菌が見られない場合では、一般的に歯磨きの徹底、生活習慣の見直しを図る事により歯肉を良好な状態へ改善していきます。しかし、位相差顕微鏡検査、歯周病菌PCR検査により歯周病菌感染が疑われる場合には歯周内科治療を行います。(下記を参照願います)
    ①検出された歯周病菌に合わせた抗生物質の内服やカビ菌に効く歯磨き剤を使い細菌叢を整えます。
    ②プラークコントロール、歯石の除去を行い、口腔内環境を整えます。
    ③定期検診を行い、歯肉を健康な状態に保ちます。再感染しないよう注意が必要です。
    細菌叢:口腔内の環境において主として歯面、歯周ポケット、唾液、舌表面、頬粘膜などの部位に500-700種類の多様な細菌が存在している細菌の集合体。

  • 位相差顕微鏡とは何ですか? ふつうの顕微鏡とは違うのですか?

    光が様々な物質を通過する際の屈折、回折の違い(位相差)を検出することで細菌等を観察することができる顕微鏡です。物質を拡大して観察する原理は通常の光学顕微鏡と同じですが、位相差像を作ることで物体の境界を明瞭に観察することができ、細菌や細胞の形態観察に優れています。

  • 位相差顕微鏡で何がみえるのですか?

    歯周ポケット内の歯垢を拡大することで、肉眼では観察ですることができない口腔内の細菌、真菌(カビ菌)を生きた状態で観察できます。

  • 「位相差顕微鏡検査」とは、どのような検査ですか?

    歯周ポケットから歯垢を採取し、スライドガラスに載せます。カバーガラスをかけて位相差顕微鏡にセットし観察します。細菌の量、カビ菌の量など3つの項目において<0>から<5>までの6段階で判定します。ご自身の菌の量や動きをモニター画面にて観察頂けます。

  • 歯周病菌DNA検査とはなんですか?

    歯周病は多種の細菌が関与する細菌の感染症です。歯周ポケットから菌を採取し、歯周病菌が持つDNAの配列を基にリアルタイムPCR検査によって調べたい菌の有無及び量を検査測定します。

  • DNAとは何ですか?

    DNAとは生物の遺伝情報を伝達・保持するための物質で、4種類の物質が長い列を作って細胞中に存在します。生物種や個体によって4種の物質の特有の並び方(DNA配列)があり、現在ではDNA配列を調べることで個人の特定や体質予測など様々なことがわかるようになってきました。

  • PCR検査とは何ですか?

    Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)を利用しDNAを増幅、検出する検査のことです。DNAの温度変化に対する反応を利用しDNAポリメラーゼ(DNAを作る酵素)を用いて目的のDNAの増幅を行います。増幅を繰り返すことで、微量のDNAを検出することが可能となります。

  • リアルタイムPCRとは何ですか?

    従来のPCR法はDNA増幅反応を何度も(一般的に30~40回)繰り返した後、目的DNAの有無を確認します。リアルタイムPCR法はDNAの増幅反応を繰り返す度に毎回、DNAの増幅の有無を確認します。(その都度リアルタイムにDNA増幅を監視できる=リアルタイムPCR)。
    何度目の増幅反応でDNAが検出できたかを調べることで元々あったDNAの量を測定することが可能となります(定量検査法)。
    新型コロナウイルスの検査でも主に、このPCR法を用いて検査していますが多くの場合、「陰性」か「陽性」の判別(判定)を行う定性検査法で検査されています。

  • リアルタイムPCR検査を受けたい場合にはどうしたら良いですか?

    当社ホームページの『検査のできる医院』において各都道府県の会員歯科医療機関を掲載しております。お近くの歯科医療機関へ歯周病菌リアルタイムPCR検査についてお問合せ下さい。

  • リアルタイムPCR検査とは、どのような検査ですか? 痛いでしょうか?

    歯周ポケットにペーパーポイントという細い紙を挿入し、歯周ポケット内の菌を採取します。
    基本的に痛みはなく、採取は短時間で完了します。

  • リアルタイムPCRを検査したら何がわかりますか?

    当社では特に歯周病との関連性が高い細菌について、ペーパーポイントで採取された菌の量を測定しています。さらに採取された細菌の総量(総菌数)についても調べることができます。
    歯周ポケット内に存在する菌の種類、量、割合を検査することで歯周病のリスク判定を行い、適切な治療に結び付けることができます。

  • 歯周病と関連が深い細菌にはどんな種類の菌がいますか?

    当社で現在検査を行っている歯周病関連菌は以下の細菌になります。
    ①P. g 菌:Porphyromonas gingivalis(ポルフィノモナス・ジンジバリス)
    ②T. d 菌:Treponema denticola(トレポネーマ・デンティコーラ)
    ③T. f 菌:Tannerella forsythus(タンネレラ・ファーサイシア)
    ⇒上記①②③は、「Red Complex」と呼ばれ歯周病と最も関与が深い最重要3菌種です。
    治りにくい歯周病や再発の原因になり全身疾患の原因にもなると考えられています。
    ④A. a 菌:Aggregatibacter actinomycetemcomitans(アグリゲイトバクター・アクチノマイセテムコミタンス)
     ⇒検出率は低いですが、若年性の重症歯肉炎、慢性歯肉炎の原因になると言われています。
    ⑤F. n 菌:Fusobacterium nucleatum(フソバクテリウム・ヌクレアタム)
     ⇒歯肉組織や細菌とくっつく力が強く歯周病菌定着の地盤となる細菌です。
    ⑥P. i 菌:Prevotella intermedia(プレヴォテーラ・インターメディア)
     ⇒女性ホルモンを好み、思春期や妊娠などの影響からくる歯周病と関与が深い細菌です。
    ⑦Treponema属細菌:T. d 菌を含むその仲間たち
    ⇒位相差顕微鏡にて特徴的な、らせん状の形態で観察されます。

  • 歯周病菌リアルタイムPCR検査の料金はいくらぐらいかかりますか?

    歯周病菌リアルタイムPCR検査は、現在までに保険適応の検査項目ではありませんので、ご依頼者の自己負担での検査となります。検査料金は各歯科医療機関で設定されておりますので、検査をご希望される場合は、ご確認をお願い致します。(検査する菌種・セット内容により価格は異なります)

  • 検査結果はどれくらいでわかりますか?

    採取された検体は、各歯科医療機関より当社に郵送されます。当社検査部での検査完了後に歯科医療機関のWeb上に検査結果を報告するシステムを採用しています。その後、ご依頼者様に対して歯科医療機関より結果説明へと進む流れとなっています。
    (次回の受診日に合わせて検査結果のご報告・ご説明を実施される場合が多い様です)

  • 歯周病菌リアルタイムPCR検査は、何回も実施するのでしょうか?

    一般社団法人 国際歯周内科学研究会の『歯周内科治療』では3回の検査を推奨されております。
    ①治療前:どの種類の菌がどのぐらいの量いるかの確認時
    ②治療経過:投与した抗生剤が効いているかの確認時
    ③治療後:クリーニング終了後に菌が確実にいなくなっているかの確認時
    また、治療後に除菌が確認できた後でも定期検診などに併せて《年に1度のPCR検査》を推奨しております。(再感染がないかを調べます)

  • 歯周病菌リアルタイムPCR検査は、何歳からできますか?

    特に年齢での制限はありません。
    インプラント治療を受ける予定の方、妊娠・出産を予定の方、更年期の方、40~50歳代の方は特に歯周病菌PCR検査をお勧めしております。インプラント周囲炎、早産、ホルモンバランスの乱れによる歯周病予防の対策として有用です。
    また、高齢期を迎える前に口腔内環境を整えることが健康寿命の延伸に効果があるとされています。